American College of Sports Medicineは、毎年この時期にワールドワイドフィットネストレンドを発表していて、今回は17年目です。
私がこのトレンドをフォローし始めたのはコロナ前から。
コロナ時代に入ってフィットネス業界への影響は計り知れませんでした。そして、人々の健康意識もさらに向上したました。
今回のトレンドは、これらを反映しているものとなったと言えると思います。
2023年のトレンドは次の通りです。
1. Wearable Technology.
2. Strength Training with Free Weights.
3. Body Weight Training. Predictably,
4. Fitness Programs for Older Adults.
5. Functional Fitness Training.
6. Outdoor Activities.
7. High-Intensity Interval Training (HIIT).
8. Exercise for Weight Loss.
9. Employing Certified Fitness Professionals.
10. Personal Training.
残念ながら、ヘルス・ウエルネスコーチングは、今回19位に下がってしまいました。
しかし、9位のEmploying Certified Fitness Professionalsの解説には、「ヘルス・フィットネスの学校を卒業し資格をもったヘルス・フィットネスの専門家」とあり、10位のPersonal Trainingの解説には、「ゴール設定、フィットネス分析、フィットネスプログラムを提供することを含む1:1のトレーニング」とあります。
これから、1:1によるパーソナル・生物学的個性を踏まえたサービスが提供できるヘルスコーチ・フィットネスの専門家やパーソナルトレーナーがより求められ、且つ、そのサービスの質の向上も求められると考えられます。
今回Wearable Technologyが1位に入ったのは、 IT/AIの技術の発展とともに様々な自己データが手軽にとれるようになり、コロナ禍での健康意識の変化とともにパーソナルデータに戻づく自己健康管理が普及し始めたと言えるでしょう。
その上で、「ヘルス・フィットネスの専門家を雇う」「パーソナルトレーナーを雇う」が9位、10位に入っているということは、「健康は自己責任、健康は作るもの」という考えを後押しする証だと思います。
そして、ヘルス・フィットネスの専門家やパーソナルトレーナーが必要とされるのは、誰もが直面する
「継続性の壁」
「確実に目標達成するための課題の把握とモチベーションの維持」
があるから。
よって、サービスプロバイダーには、クライアントのニーズとクライアントジャーニーを理解し、
「クライアントに寄り添うコミュニケーション」
「行動変容」
「アカウンタビリティー」
といった視点でのサービスの質の向上がより期待されると考えています。
US以外の市場ではどうなっているのでしょうか?
ACSMが公表しているデータには、残念ながら日本は含まれていませんが、次の表にある国でも「高齢者向けのフィットネス」、「機能的フィットネス」、「ヘルス・フィットネスの専門家を雇う」や「パーソナルトレーナーを雇う」が上位にランクインしている点は注目したいと思います。
日本でもウエルネス市場は急成長しています。そして、健康をビジネスにする市場はこれからも成長していくと思います。
よって、「高齢者向けのフィットネス」「機能フィットネス」「ヘルス・フィットネスの専門家を雇う」「パーソナルトレーナーを雇う」というトレンドは、日本でも注目されていくと思います。
そこで、この「専門家を雇う」というコンセプトが、私たちヘルスコーチの需要にどのように影響するのか?と私は考えてます。
日本では、健康系資格講座が増えています。そして、ヘルスコーチの資格講座も増えてきています。
どの資格講座がベストなのか?ということはとても重要です。
でも、それ以上に「学校で学び資格を得る」は、「一定の知識があるという証だけ」ということを忘れてはいけません。資格をとって「専門家」として活動をするのであれば、「資格を取る=スタートラインに立った」にすぎないのです。
なので、「専門家」として、クライアントのニーズに応えるようなサービス提供をしていきたいと考えるのであれば、ビジネスの基礎(マーケティング・財務・法律等)を知ることも大切ですが、一番理解しなければならないのは、「クライアントジャーニー」だと思います。
ここでいう「クライアントジャーニー」とは、クライアントが症状や改善したい点を認識し、最終的に専門家を雇い、課題の把握や改善プログラムを開始し結果を出すところまでのプロセスを指します。
ここでポイントとなるのが、クライアントの気持ちです。
クライアントが求めているものの本質は何か?
クライアントは今どの時点にいるのか?
クライアントが専門家を雇うきっかけは様々です。
健康診断の結果なのか?
自信を取り戻したいのか? それとも。。。
プログラムを継続していくと、気分が上がったり、下がったり、気持ちは変わっていきます。それによって必要なケアも変わってきます。
サービス受益者の行動とその時の心境を洗い出すことが鍵となっていきます。
これからヘルス・フィットネスの専門家やパーソナルトレーナーに求められることは、「これだけは」という専門分野の専門家であることは当たり前。
その専門性に加えて、(1)よりホリスティック(大局的)にクライアントの状態を観察できる力(2)客観的な視点で問題提起でき、問題解決方法一緒に考える(答えはクライアント自信が持っているので答えは与えない)(3)モチベーションを上げるコミュニケーションができる等が求められると思います。
モチベーションを上げるコミュニケーション等にご興味のある方は、YouTubeで無料講座を提供しています。是非ご参考にしてみてください。
パフォーマンスに必要な基盤(Foundation of Athlete Wellness)
パフォーマンスに必要な栄養(Nutrition Performance Communication)